集合住宅も「ひとつ屋根の下」…老老互助で、ごみ出し支援

14 Nov 2019

高齢化率が4割を超える集合住宅で〝老老互助〟の取り組みが広がっている。歩行が困難だったり、重いものを持てなかったりする高齢住民に代わり、元気な住民らがごみ出しをする取り組みだ。気遣ってくれる人がいれば、「ごみ屋敷」になることもない。集合住宅もいわば、〝ひとつ屋根〟の下。千葉市で「ごみ出し支援」に取り組むグループを取材した。

集合住宅のごみ出し支援に携わる「ヤルズの会」代表の渡辺博司さん

■「大したことしていない」

「たいしたことはやってない。誰にでもできるような簡単なことをやってるだけ」

そう話すのは千葉市稲毛区の大規模集合住宅「稲毛ファミールハイツ」に住む渡辺博司さん(80)。高齢者のごみ出しを手伝う「ヤルズの会」の代表を務めている。

昭和40年代後半に建設された同ハイツは、11階建てと5階建ての24棟からなる集合住宅。1300戸に暮らす約2850人の住民は高齢化が進み、65歳以上が約1200人、75歳以上が約700人に上る。

ごみの集積所は各棟ごとにあり、燃えるごみの回収は週2回。同会にごみ出しのサポートを申し込んだ人は、ごみ袋を朝までに玄関先に出しておけば、渡辺さんたちが回収して集積所に運んでくれる。月1回の資源ゴミも依頼できる。

「会のメンバーが8人で、利用が12世帯。登録制で、私より年下の70代の利用者もいますよ」と渡辺さん。

「ごみ出し支援」というと大変そうだが、基本的にはごみを移動させるだけ。週2回きちんと出していれば、ごみ袋もそれほどかさばらない。個々のメンバーが、自分のごみ出しのついでに…という感じだ。「ボランティアは簡単でないと続けられない。こういうのは続けることが大事だから」

渡辺さんはサラリーマン時代に引っ越してきて、同ハイツに36年暮らす。社会福祉協議会の仕事や通学路の見守りなど、地域活動に積極的に参加してきた。

利用者宅前でごみを回収し、決められた集積所に運ぶメンバー

■電球交換も

平成19年、自治会有志でごみ出し支援のボランティアをスタートした。その後、千葉市に支援団体として登録。市の補助金も受ける。ところが、高額の礼金を渡そうとする利用者がおり、1カ月300円の利用料を取ることにした。

「毎月1回、集金に行くことにしました。他に困りごとがないか聞けるし、玄関先で顔を合わせるだけでもいろいろ分かるので」

電球を交換したり、台風の前に物干しざおを片付けたり、ごみ出し以外の手伝いも可能な限り引き受ける。

同ハイツは、自治会で盆踊りをしたり、趣味のグループが数多く活動するなど、住民同士の交流が盛んだという。渡辺さんたちにとって、ひとつ屋根の下での「支援活動」は自然なご近所付き合いのようだ。

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