突然の入院…えっ?要介護4?=柴田理恵さんの連載エッセーがスタート

2019/12/25

テレビや舞台で大活躍する女優の柴田理恵さん。今年、90歳になる母の須美子さんは、今も富山県で地域の方々に見守られながら、元気に一人暮らしをされています。長年、小学校の先生をされてきた須美子さんは、とにかく明るくて、気っぷのいい性格だそう。そんな須美子さんですが、3年前に体調を崩して寝たきりになり、一時は「要介護4」の認定を受けたこともあります。そこからどうやって現在の元気な毎日を取り戻したのでしょう? 須美子さんの奮闘を励まし、見守った日々のほか、さまざまな思いを綴ります。

■あまりにもひどい状態…

母が入院したのは、父が亡くなった翌年、2年前の10月。「お父さんの一周忌をしなくちゃ、するなら早く準備しなきゃね」なんて話していた矢先のことでした。

原因は、腎盂炎(じんうえん。大腸菌など細菌が腎盂=尿のたまるところ=に侵入し、炎症を起こす病気。高熱、吐き気、寒気、腰や背中の痛みといった症状が出る)でした。急に高熱が出て、何かわからずに病院に行ってそのまま入院。歳をとると、おしっこが全部出きらなくて、菌が繁殖して腎臓に炎症を起こして熱が出た、というようなことだったと思います。

高齢であることもあり、私がようやく病院にかけつけたときには、敗血症を起こしていました。

「お母さん!お母さん!」
「あー…理恵…」

目の前にいるのは見たこともない母。これは大変だ! あんなに気が強くて元気な人が、こんなふうになるなんて…。意識はもうろうとしていて、いつもの母の面影はゼロ。ショックでした。

ちょうどその頃、介護認定のタイミングが重なって、結果は「要介護4」(食事や排泄をはじめ、日常生活全般に全面的な介助が必要で、日常生活の動作レベルが特に低下した状態。意思疎通が難しくなることも)。それまでは「要介護」ですらなかったお母さんが…。
よく「お年寄りはほんのちょっとしたきっかけで、寝たきりになってしまう」とか「風邪をひいたら、肺炎になってしまってそのまま亡くなった」という話は聞きます。でも、まさかあのお母さんが、あんなふうに…。「要介護4」だなんて、本当にびっくりしました。

私は一人っ子なので、父を亡くしてから、母のことは近くにいるいとこにお願いしていました。そのいとこから母の状態は聞いていたのですが、あまりにひどい状態の母を見てショックを受け、「これはあかんね」思わず言ってしまいました。いつもは気の強い母が、熱があるとはいえ、意識がもうろうとしてろくに話せない。さすがに「困ったなあ」と思いました。

■「正月は家でお酒が飲みたい!」

1週間くらいして、熱は少しずつ下がってきました。すると少し意識もはっきりしてきて、少しずつ話ができるようになりました。そこで私は、母に聞いたんです。

「お母さん、今何したい?」
すると、「うーん…」と考えていたので、
「うちに帰りたいやろ?」ってたたみかけると、
「うん、帰りたい」って。
「もうじき正月だよ。正月、私と一緒にうちに帰って、酒飲みたいよね?」
「飲みたい、飲みたい」
「そのためには、まず元気にならんとね」
「うん、そうだね」
「1日も早く元気になって、次に、歩く練習せんとあかんよ。歩けんと酒も飲めんから、歩く練習大事よ」
「うん、大事だ」

というわけで、「正月の酒」を目標に、母の「猛リハビリ」が始まったのです。

※第2回は1月5日に更新予定。

5月からWAHAHA本舗全体公演「王と花魁」に出演予定

しばた・りえ 1959年、富山県出身。明治大学文学部卒業後、劇団東京ヴォードヴィルショーを経て、84年、WAHAHA本舗を設立。劇団の中心メンバーとして舞台で活躍するかたわら、映画やテレビドラマ、バラエティー番組、CFなどに幅広く出演。5月からWAHAHA本舗全体公演「王と花魁」(http://www.wahahahompo.co.jp/stage/koen/zentai/thegreatestkabuki/)に出演予定。

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