「アカルイミライ」のために。「真実」を発信していきたい=訪問美容師・湯浅一也さん<8>

2020/01/21

近年は訪問美容のニーズが高くなり、サービスの質を求めていらっしゃるお客様が年々増加してきました。こうしたなか、訪問美容師を志す方々も以前に比べて増え、美容室の新サービスとして訪問美容を始める方や、利用される方のご自宅から美容室まで、送迎付きの美容室も増えてきています。
私自身、訪問美容の現場に立ち講師業や講演活動を行ってきて、何年か前にふと不思議に思ったことがあります。
「どの業界も変化が激しいのに、なぜ今いる訪問美容の業界は、そんなに変化しないのか?」

■訪問美容は、オシャレでクリエイティブな仕事

私の見解では、現状、介護や訪問美容にまつわる問題は大きく2つあると考えます。
1つ目は、介護の現場を知らずに、憶測で物事をとらえ、世の中に発信してしまうことです。

「介護の仕事ってどう思う?」と介護の現場を知らない人に聞いたとき、テレビやインターネットの情報によって悪いイメージだけが残るせいか、介護にまつわる業界のすべてが悪いイメージとなり、それが社会に発信されていると感じます。
私は7年間、介護の現場を訪問してきました。確かに大変な仕事だと感じる部分はありますが、それ以上に、たくさんのやりがいや、うれしいこと、楽しいこともたくさんあります。
実際、訪問美容の仕事をするようになってから、心の底から美容業が好きになり、真正面から向き合うことができました。

介護職の方々も、まぶしいくらいキラキラしながら仕事をされている方も多いのが本当のところ。当たり前かもしれませんが、「リアルな介護は、現場にある」。実際にそこに行って感じないとわからないことがたくさんあります。

美容業界でも「訪問美容は、その業種の人がやればいい」「訪問美容はオシャレじゃない」「クリエイティブじゃない」という声がります。私自身、このような言葉をたくさん言われてきました。でも「そんなことはない」と自信を持って言えます。
たとえば、訪問美容を利用されるお客様は、今トレンドになっている髪型をオーダーなさる方もいれば、金髪をリクエストされる男性のお客様もいらっしゃいます。オシャレにこだわり、技術的にも高度なヘアデザインを求める方々はたくさんいらっしゃるのです。
訪問美容は、その方の外見と心の両方に変化を与え、笑顔をデザインする、という立派なクリエイティブな仕事だと私は思います。

今は現場に触れたリアルな言葉が発信され始めたからこそ、訪問美容に関心を持つ理美容師の方々が増え、学生でも訪問美容の道を志す方々が増えてきました。
さまざまな人がその仕事に携わり、それによって進化していくからこそ、その業界は変わってゆくし、より良い業界になっていくものだと思います。
こうした訪問美容の変化を止めていたのは理美容師自身だったのかもしれない、と感じています。

株式会社un.本部スタッフのメンバー

■「閉鎖的な業界」…情報を外に出さないリスク

2つ目の問題点は、訪問美容業界が「閉鎖的な業界」であることです。
この業界に限らないかもしれませんが、良いことはもちろん、改善すべきことも、個人や法人、はたまた業界団体などが、身内だけでとどめてしまうのです。外に情報を開示しないことは、時に大きな危険をともないます。

どんな仕事でも、わからないことはたくさんあって、それは不安につながります。もし、わからないことを外に向かって尋ねることができれば、防げるかもしれない事故が、不安を内部にとどめてしまうことで、大きなアクシデントにつながってしまうかもしれません。そしてそれが、業界全体の悪いイメージとなり、さらに委縮してゆく負のスパイラルに陥ってしまう可能性もあります。
だからこそ私は、良いことも、悪いことも、できるだけ多くの情報を、外に向かって発信し続けようと思いました。

私の講演では、会社の情報の98%くらいは、皆さんにお話しさせていただいています。
時折、「湯浅さん、そんなに話して大丈夫ですか?」と言われることがありますが、「大丈夫です!」と自信をもって答えます。
訪問美容に触れ、関心を持ってくださる人たちをもっと増やしていきたいと思っていますし、私たちが悩んだ点を包み隠さずにお伝えすることで、よりよいサービスを提供し、お互い高め合える仲間が増えると考えています。それによって、業界がより進化し、お客様の笑顔がいっそう増えていく、と思うからこそ、正直にお話します。訪問美容や介護業界の「真実」を正しく伝えていくことも、私の仕事だと思っています。

これからは、より情報化が進み、高齢化も著しくなっていきます。だからこそ、「真実を正しく伝えること」は本当に大切だと思います。まだまだ十分ではないかもしれませんが、私はこれからも介護や訪問美容の現場に立ったうえで、あらゆる情報を発信していきます。同時に、同じように発信できる人を増やせるようにしたいと考えています。そうすることで、社会の変化に対応できる方々が増え、より良い世の中になるはず。こうした信念を持って、2020年も走り続けたいと思います。少しでも、未来が明るくなるように。

・・・今日の大先輩の名言「若いうちはたくさん一生懸命働いて、奥さんやお子さんに働いている背中をしっかり見せなさい。きっと何年後かに自分がやったことの答えが見えてくるよ! それから家族だけでなく、みんなに『ありがとう』と言葉で伝えてね! 」87歳 男性 会社経営

湯浅 一也(ゆあさ・かずや)1987年1月31日 、札幌市生まれ。札幌ビューティーアート専門学校卒業後、2008年にStudio Vに入社。サロン勤務を経て2012年に株式会社 un.を設立。美容師国家資格・初任者研修修了2つの資格を持ち、訪問美容の現場でハサミを握り、美容学校や介護専門学校での講師活動やセミナー・講演、テレビや新聞・インターネットニュースなどにも出演するなど活躍の場は多岐に渡る。

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