子連れOKの介護職場をスタート

2020/01/20

仕事にやりがいや生きがいを感じていても、出産後に「子供か仕事か」の二者択一に悩む女性は多い。子供はかわいいし、仕事も好き。そんな迷いの末、一人の女性介護職が出した結論は…。子連れ出勤できる事業所を、夫と立ち上げた女性に聞いた。

一緒に掃除をする利用者(左)と子供

■育児も仕事もしたい

群馬県高崎市の介護福祉士、小池裕子さん(35)は、夫の昭雅さん(40)も介護福祉士。一緒にデイサービス事業所を立ち上げたのは6年前だ。きっかけは、子育ても仕事もどちらも全力でしたいと思ったことだった。

介護の専門学校を出た小池さんは出産前、デイサービス事業所や老人保健施設で働いた。長男(9)が生まれて仕事をやめたのは、「子供が小さいうちはそばで育てたい」と思ったから。しかし、実際に育児に専念すると、1年ほどで「仕事も収入もない生活で急に不安に襲われた」という。

ずっと働いてきたせいか、不安感は想像以上に大きかった。仕事がしたい、でも、子供も近くで見たい。その両方をかなえるため、夫婦で住まいを介護事業所にする計画を立てた。長女(6)を妊娠中にデイサービス事業所への工事を開始。その後、利用者が泊まりや通い、訪問介護も受けられる小規模多機能型事業所「オリジン」も始めた。

利用者と子供が将棋〝対決〟をする日もある

■高齢者も子供も一緒に

今、自身が求人を出すときには、「子育てしながら働ける」をうたう。昭雅さんは「多くの女性は、子供ができると仕事か育児かを選ばざるを得ない。そんなの不公平だし、せっかく介護職になったのに、子育てのために辞めてしまうのも惜しい」という。

事業所のスタッフ15人は子供のいる人ばかり。子供の急な発熱で休んでも、別のスタッフが送迎や手伝いを買って出る。夏や冬の休みには、利用者より子供の方が多いことも。「カギがなくて家に入れなかった」と、学校から直行して遊んでいる子供もいる。

周囲に反応を示さない高齢者が、子供に笑いかけたり本を読んでくれたりすることもある。小池さんは、「実家が遠く、うちの子供たちも祖父母と接する機会があまりない。ここで高齢者のいる暮らしが当たり前になったことがありがたい」という。

昨年11月からは、子連れ出勤するスタッフに手当てを出し始めた。「子供がいると働けないとか、介護の仕事を特別なこととか思う人は多い。でも、ここに来るとそうでないと分かるはず。仕事と育児の両立には大変さもあるけれど、私は育児だけしていたときより、今の方が精神的に楽です」と小池さんは笑った。

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