子連れ出勤も自然な風景=銭湯でデイサービス

2020/02/13

育児と仕事の両立は働く親にとって大きな課題。だが、介護事業所の中には、子連れ出勤OKな施設もある。銭湯を経営する「新井湯」の介護事業「湯~亀(き)グループ」(東京都品川区内)も、そんな職場。子供がいることで、職員にも利用者のお年寄りにも自然に笑顔が生まれている。

事務所の一角にはベビーベッド。赤ちゃんをおんぶして働くスタッフ。会議中、社長の膝に乗って遊ぶ子供。湯~亀グループの事業所では、職場に子供がいるのはおなじみの風景だ。

 「今日は赤ちゃん、どこにいるの?」
 「保育園だよ」

利用者とスタッフで交わされる会話にも、子供の話題が自然にのぼる。

新井湯の松井眞美・介護事業部長は「介護事業を始めた当初から、ヘルパーは子育て中の方がメイン。だから、最初から子供を職場に連れてきていいよ、という方針です」と説明する。

同社の母体は、昭和27年に創業した銭湯「新生湯」。地域の高齢化が進む中、お年寄りにも広いお風呂を楽しんでもらいたいと銭湯営業の傍ら、平成15年に「デイ・サービスセンター湯~亀」をオープンした。

スタッフは、ほとんどが子育て経験者。松井さんは「家族ぐるみで職場に出入りしても大丈夫。子供だけでなく、旦那さんが来てくれてもいい。むしろ、お母さんの働く背中を見てほしい」と頼もしい。

打ち合わせも親子で参加する。子育て経験者が多いという。

■職場に子供、当たり前

介護福祉士の涌本(わくもと)亜友美さん(30)は、今は総務の仕事を担当する。デイサービスの管理者などを務めていたが、おととしの8月に、長男の蒼太朗ちゃん(1)を出産。その年の12月に復職した。「もともと仕事が好きだし、これまでも、みんなが子供を職場に連れてくるのを見ていたので、子連れの復職は自然な流れでした」と振り返る。

職場には、子育てを経験した先輩がたくさんいる。「初めての子育てで分からないこともあるけれど、みんながいろいろ教えてくれるんです」と涌本さん。

高齢者にも広い風呂でのびのび湯につかってもらいたいというのが、介護サービス開始の発端だ

■シフト管理で情報共有

子供の急な病気など、早退や欠勤に対応する仕組みも整っている。

たとえばシフト。湯~亀グループでは、デイサービスや訪問介護など8事業所を展開する。介護職のシフトは、全事業所を1枚のシフト表で管理する。シフト表には、介護に携わる時間のほか、休憩時間も記載。急な欠勤や早退は、これをもとにSNSで調整し、人繰りをする。

松井さんは「1事業所だけで急な早退や欠勤を埋めるのは難しい。複数事業所の勤務を、1枚のシフト表で管理するから調整できるし、安心して働ける」と説明する。

職場復帰後、子供を保育園に預けた涌本さんだが、お迎えに行った後で会議や打ち合わせがあれば、子連れで職場にやってくる。「小さいころから、多くの人と関わっていたせいか、息子も人見知りしなくなりました」。子育てに理解のある職場環境が、働く人にも安心感を与えているようだ。

打ち合わせ中、社長の膝の上で遊ぶ蒼太朗ちゃん。子供が職場にいるのが自然な風景だ

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