介護の日勤、夜勤を分離 ~仕事も家庭も趣味も充実~

02 Dec 2019

介護の仕事は楽しいけれど、夜勤や泊まりが勤まらない-。子育て中の介護職には、そんな悩みがつきまとう。事業所側も、職員が結婚・出産で辞めてしまうのは悩みの種。仕事を続けてもらうにはどうするか。業界の常識を破り、日勤と夜勤を完全に分けた法人を紹介する。

みんなで歌を歌うのもリハビリの1つ

■夕方5時に職場を出る

東京都町田市の社会福祉法人「合掌苑」の職員で介護福祉士の冨澤明日香さん(31)は、2歳の女の子のママ。特別養護老人ホーム(特養)で日勤の時短勤務で働き、遅い日でも夕方5時には子供を迎えに行く。「気持ちを切り替えて、夕方以降は家事に専念できる。この働き方がなかったら、どうしていたか…」と言う。

特養や介護付き有料ホームといった入所施設には、朝まで働く介護職が必須。そのなかで合掌苑は、勤務を日勤と夜勤に完全に分けた草分けだ。「日勤」は朝7時からの早番、標準、遅番があり、遅番が午後9時まで。午後9時~明朝7時は「夜勤」のスタッフが働く。日勤職員を、夜勤のシフトから解放したのだ。

マネジャーの森田健一さんは、「新卒で就職する人は女性が圧倒的に多い。結婚や子育てでライフステージが変わっても、キャリアを継続できる仕組みを作りたかった」と言う。
「もっぱら日勤」の職員に対して、法人内には、「もっぱら夜勤」のスタッフが20人いる。勤務は週3、4日だが、夜勤手当がつくので、賃金は一般に約35万円(税込み)に上る人気職種だ。

リハビリを兼ねた体操の時間

■ダイビングもスノボも

夜勤専従の介護福祉士、井上初美さん(31)は、約10年のキャリアがあるベテランだ。人の少ない夜間の勤務にはスキルが必須。眠れない入所者の話し相手になったり、トイレへの誘導をしたりして過ごす。夜勤専従を選んだ理由を、「仕事もとことんやり、趣味も充実できるのでライフスタイルに合っている」と言う。オンとオフが明確だから、夏はダイビング、冬はスノーボードを楽しむ。「富士山にも登りたいし、スカイダイビングもやってみたい」と、独身生活を謳歌(おうか)する。

こまめに水分補給をすることも、介護職の大事な仕事だ

■介護の魅力

ライフスタイルの異なる2人だが、介護に感じる魅力には共通点が多い。

「色々なことを忘れてしまう人が、突然覚えていてくれることがある」(冨沢さん)

「少し前のことも覚えていない人が、会話を覚えていることがあって、心の中がふわっとする」(井上さん)

施設の時間は、1人1人のリズムに合わせてゆっくり流れる。「そのときしか見られない顔を見せてくれる。私、この人のこんなことを知っているんだよ、と得した気分になる」(井上さん)

冨沢さんは、ブライダルの仕事を考えていた時期もある。「誰かの人生の大事な瞬間のために、みんなで取り組んで喜んでもらう」ことに魅力を感じた。大切な1日に寄り添って喜んでもらうのは、介護も似ているかもしれない。

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